
2026年のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』が、6月5日、山形県寒河江市にある由緒ある寺院・瑞宝山本山慈恩寺にて華々しくクランクインを迎えました。本作の主人公は、豊臣秀吉の実弟である豊臣秀長(幼名:木下小一郎)。これまで大河ドラマや歴史の主役としてはあまり取り上げられることのなかった人物にスポットを当て、兄・秀吉との固い絆と、戦国乱世を共に駆け抜けた軌跡を描きます。
主演を務めるのは、俳優・仲野太賀さん。そして、兄・藤吉郎(のちの秀吉)を演じるのは池松壮亮さん。過去にも何度も共演経験のある二人が、初めて兄弟役として臨む長期撮影に胸を高鳴らせながら臨んだ様子が、クランクイン直後のコメントからもひしひしと伝わってきます。
初日の撮影では、8年前に出奔して以来、音信不通だった兄・藤吉郎が突然故郷に帰還し、小一郎に「共に侍になろう」と誘う重要な再会シーンが撮影されました。この再会こそが、豊臣兄弟の壮大な物語の幕開けとなります。
本記事では、主演の仲野太賀さん、共演の池松壮亮さんから寄せられたコメントを交えながら、『豊臣兄弟!』の作品背景、初日の撮影現場の様子、そして本作に込められた熱意を詳しくお伝えしていきます。
「豊臣兄弟!」とは?注目のあらすじと見どころ
豊臣秀吉の弟・秀長を主人公にした新たな視点の戦国ドラマ
NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』は、これまでの戦国ドラマではあまり語られることのなかった豊臣秀長(木下小一郎)に光を当てた異色作です。主人公である秀長は、豊臣秀吉の実弟として兄を陰で支え続けた名参謀。名をあげる武将たちの中で、忠義と知恵を持って生き抜いたその人物像が、本作ではドラマの中心に据えられています。
これまで秀長は「裏方」「補佐役」として描かれることが多く、歴史ファンの間では“優秀だが地味”という印象もあったかもしれません。しかし本作では、秀長の視点から戦国乱世を眺め、彼の苦悩、信念、そして兄・秀吉との強い絆が丁寧に描かれます。まさに、“もうひとつの豊臣家の物語”が今、語られようとしています。
下剋上の成功物語と兄弟の絆がテーマ
本作の大きなテーマは、「下剋上のサクセスストーリー」と「兄弟の絆」です。農民の出でありながらも、戦国の荒波に立ち向かい、やがて天下人の片腕として名を馳せる秀長。その歩みは、奇跡とも言えるほどの急成長と困難の連続でした。
兄・秀吉と共に「侍になる」という小さな一歩を踏み出した小一郎が、戦の現実や政治の裏側、家族との別れ、裏切りと忠義を経て、やがて一国一城の主となる姿は、現代に通じる努力と信念の物語です。
ときに衝突し、ときに支え合いながらも、兄弟で天下を目指す姿は、血のつながりだけでは語り尽くせない深い関係性を浮き彫りにします。視聴者の心に残る“熱い兄弟愛”が、戦国時代という壮大な舞台で描かれるのです。
八津弘幸脚本による骨太な人間ドラマ
脚本を担当するのは、『半沢直樹』『陸王』『おちょやん』などで知られる八津弘幸氏。骨太なストーリー展開と、感情に訴える台詞回しに定評があり、今回も人間ドラマとしての深みが期待されます。
八津氏が描くのは、単なる歴史の再現ではなく、人が人としてどう生きるか、どう決断し、どう支え合うかという「生き様」にフォーカスした物語。秀長と秀吉という歴史的な人物の内面にまで踏み込み、それぞれの正義や覚悟を、現代の視点からも共感できる形で描いてくれることでしょう。
大河ファンはもちろん、これまであまり歴史ドラマに触れてこなかった人にも届く、普遍的なテーマとエンタメ性を兼ね備えた作品になりそうです。
収録初日の舞台は山形・慈恩寺!撮影シーンを紹介
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』の撮影がスタートしたのは、2025年6月5日。ロケ地に選ばれたのは、山形県寒河江市にある名刹・瑞宝山本山慈恩寺(ずいほうざん ほんざん じおんじ)です。歴史と風格あるこの寺院は、重要文化財にも指定されており、戦国時代の空気感をリアルに再現できるロケーションとして、今回の重要なシーンの舞台に選ばれました。
クランクイン初日に撮影されたのは、物語の起点となる印象的な再会の場面。8年前に出奔し行方不明だった兄・藤吉郎(のちの豊臣秀吉)が、突如として故郷・尾張国中村(現在の名古屋市中村区)に帰還。藤吉郎は「自分は織田信長に仕えている」と語り、亡き父の墓前で弟・小一郎(秀長)に向かって「共に清須へ行き、侍になろう」と誘う——そんな、運命が動き出す瞬間が描かれました。
このシーンは、兄弟の運命の歯車が大きく回り始める「物語の出発点」。尾張中村の農村風景を思わせる慈恩寺の静寂な佇まいが、2人の再会に重みを与え、兄弟の今後を予感させるシーンとして演出されています。
慈恩寺のような歴史的な場所を活用することで、舞台である名古屋・中村区の“空気”をよりリアルに伝え、視聴者を物語の世界へと一気に引き込む演出に仕上がっています。大河ドラマらしい重厚な世界観が、このクランクインの1日で早くも感じられる、そんな印象的なスタートとなりました。
仲野太賀「未知の兄弟役に挑戦」コメント全文
『豊臣兄弟!』で主人公・小一郎(のちの豊臣秀長)を演じる仲野太賀さんは、クランクインを迎えた心境を率直にこう語っています。
『ついに始まるな』というドキドキ感はありましたが、スタッフ・キャストの皆さんとしっかりコミュニケーションを取った上でクランクインを迎えられたので、不安はありませんでした。」
2026年 大河ドラマ「豊臣兄弟!」クランクインのお知らせ
共演者である池松壮亮さんとは、これまでさまざまな現場で顔を合わせてきたものの、兄弟役での共演は初めて。だからこそ、芝居の中で生まれる“新たな感覚”を楽しみにしていたといいます。
「池松さんは、公私共にとてもお世話になっている、まさに“兄貴”的存在です。きょう初めて“兄弟”として芝居をしてみて、知っているつもりだったけれど知らなかった領域に踏み込んでいく感覚があり、これから1年半の撮影がより楽しみになりました。」
2026年 大河ドラマ「豊臣兄弟!」クランクインのお知らせ
そして何より、これまで多く語られてこなかった豊臣秀長という人物を、大河ドラマの主役として演じることへの責任と意義をこう語ります。
「『豊臣兄弟!』は、今まであまり語られてこなかった豊臣秀長という人物がフィーチャーされるので、歴史ファン、大河ドラマファンの方々にも新しい視点で見てもらえると思います。我々兄弟で戦国の時代を駆け抜けていくので、放送を楽しみにしていただけたらうれしいです。」
2026年 大河ドラマ「豊臣兄弟!」クランクインのお知らせ
歴史の裏側で、確かに時代を動かしていた“もうひとりの豊臣”。仲野太賀さんが新たに息を吹き込むことで、秀長という人物にこれまでにないスポットライトが当たることになりそうです。
池松壮亮「2人の物語が始まる」兄弟役への思い
主人公・小一郎(豊臣秀長)の兄であり、のちに天下人となる豊臣秀吉を演じるのは、実力派俳優・池松壮亮さん。クランクイン初日から「感慨深かった」と語る池松さんの言葉には、作品への強い思いと覚悟が滲んでいます。
「天気にも恵まれ、スタッフ・キャストみんなが楽しそうで、とても良い初日を迎えることができ幸せに思います。」
長年、さまざまな現場で共演を重ねてきた仲野太賀さんと、今回は兄弟という関係性で対峙することになった池松さん。彼自身、「兄弟役は初めて」と語り、いつもとは違った距離感で芝居に臨んでいることを明かします。
「太賀さんとはこれまで様々な役で対峙してきましたが、兄弟役は初めてです。今日の撮影は、兄弟が再会後、初めてしっかりと向き合うようなシーンだったので、『ここから2人の物語が始まっていくんだ』と感慨深いものがありました。」
また、約1年半という長期にわたる撮影期間についても、池松さんは「その時間をかけて、この兄弟の関係性を丁寧に育てていきたい」と意気込みを語ります。
「1年半かけてその役の生涯を演じられることは、とても贅沢なことだと感じます。この2人の関係性と、この物語と、このチームでのものづくりを、これからの1年半、愛情をもってみんなで育てていきたいです。」
視聴者にとっても、毎週“豊臣兄弟”に会うことが楽しみになるような、そんな作品を届けたいという気持ちが伝わる池松さんのコメント。
「視聴者の皆さんに毎週楽しみにしていただけるよう、心温まる、ワクワクする、元気が出る作品をお届けできるよう、精一杯頑張ります。」
兄・藤吉郎として、小一郎との関係性をどう築いていくのか――。池松壮亮さんが演じる“人間・秀吉”の姿にも注目です。
まとめ:豊臣兄弟の物語が始動!放送が待ちきれない
2026年のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』が、ついにクランクイン。仲野太賀さんと池松壮亮さんという実力派俳優による“兄弟タッグ”が、今後1年半にわたってどのような物語を紡いでいくのか――早くも視聴者の期待が高まります。
秀吉を支え、戦国の荒波を共に乗り越えた弟・豊臣秀長という人物にスポットを当てることで、これまでとは異なる戦国像が浮かび上がってきます。フィクション要素を交えつつも、史実に基づいた緻密な人間ドラマは、大河ドラマならではの魅力。兄弟の絆を軸に、戦国時代を“家族”という視点から描く本作は、多くの視聴者に新たな歴史の扉を開いてくれるでしょう。
撮影開始からすでにキャスト陣の熱量が感じられる『豊臣兄弟!』。放送開始は2026年1月、毎週日曜夜8時(NHK総合)を予定。新たな歴史ドラマの幕開けに、今から心が躍ります。日曜夜の楽しみが、またひとつ増えそうです。